当研究室では,振動工学を基礎として、機械・機器・構造物・スポーツ用具などの人工物および身体運動のモデル化、
解析、設計に関する教育・研究を行います.
そのうち,松原が担当しています研究内容についてご紹介いたします.
(1) 動的X線イメージング技術を用いた材料特性評価
動的X線イメージングを用いてマイクロ・ナノスケールにおける微細構造の動的変形挙動や応力分布を可視化することで振動減衰が発生する原理を解明し,マクロなスケールで評価される減衰特性を推定・制御する技術の開発を目指しています.特にゴム材料に着目し,微細構造におけるエネルギー散逸機構の解明とそのモデル化を通して高機能なゴム材料を創出しうる配合設計技術を確立します.
そこで,動的X線イメージング技術を開発することで振動曝露下のマイクロ・ナノスケールにおける変位やひずみ,応力の情報を可視化します.これらの情報を基に微細構造の数値計算モデルの構築,散逸エネルギーを定量的に評価し,振動減衰の基本原理について解明します.
図1は振動曝露下におけるX線CT観察の概要をを示します.
(2) 広域計測・高分解能・高サンプリング周波数を並立した画像振動計の開発
大型の機械構造物の振動試験においては,計測点数の増加に伴い,センサの準備,配線の取り回し等により実験工数がかかる問題や,高所作業時間の増大に繋がっています.さらには,振動の励起が不十分であるため周波数応答関数を評価できないという問題もあります.
これに対して,図2に示すような非接触かつ多点同時計測可能な一般市販デジタルカメラを利用した画像振動計を構築し,メートルオーダーの撮影視野で数ミクロンオーダーの変位振動を捉えることができるのか検討しています.
(豊橋技科大 機械工学系 M.M)