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研究テーマ

22A3-7-05 ラトルノイズ:ギア・スプライン衝突加振力予測_01

【研究室紹介】東京工業大学 構造ダイナミクス研究室(中野准教授グループ)

 当研究室では,動力学的な観点から機械・構造システムの機能と信頼性の向上を目指して研究しています.

ここでは,中野が担当する研究内容についてご紹介いたします.

 

(1) 動吸振器を用いた切削加工時に発生するびびり振動の抑制対策

 近年、金型や部品の加工において行われるエンドミル加工では、加工効率のさらなる向上を目指した主軸回転速度の高速化や、より複雑で細かい加工が求められています。その一方でびびり振動を回避する切削条件は厳しく、加工効率をさらに上げるためにはびびり振動の回避または抑制が必須課題となっています。
 当研究室では、びびり振動を回避するために切削条件を変えることなく、びびり振動が発生する切込み深さを大きく向上させるための制振装置(動吸振器)を開発し、その最適設計法を確立することを目指して研究を行っています。
 下図は、エンドミルを取り付けるツールホルダに取り付けた動吸振器や薄肉円筒被削材に取り付けた動吸振器です。
適切に設計した動吸振器を取り付けることで、びびり振動の発生限界切込み深さを大きくすることができ、加工精度も向上することができます。

 

(2) ディスクブレーキの鳴き抑制対策

 近年、自動車のエンジンの静粛性向上やハイブリット車や燃料電池自動車、電気自動車の開発で走行時の静粛性が格段に上がっており、低速制動時において甲高い不快音が鳴るブレーキノイズの発生が問題となっています.
ブレーキノイズに関する研究は数多くなされていますが、再現性に欠ける確率的な現象であることや、摩擦現象とブレーキ機構の振動による複雑な問題であることから、その発生メカニズムは未だ完全には解明されていないのが現状です。
 本研究室ではブレーキピストン内に封入した圧電素子を高周波加振するディザーコントロールによるブレーキ鳴き抑制効果の検証と抑制メカニズムに関する研究を行っています。

 

(3) 回転切削器具の振動モニタリングによる口腔外科手術支援

 口腔外科手術の中で,顎変形症治療のため,顎骨を切削する手術が行われています。
顎骨の内部は主に二層構造となっており,骨の表層部は比較的組織が密であり硬質な皮質骨と,内部は比較的組織が疎であり軟質な海綿骨で構成されています。
海綿骨内に血管や神経が存在するため,皮質骨(硬質層)を抜けて海綿骨(軟質層)に切削工具が到達すると,出血や神経損傷による麻痺などの後遺症が残る恐れがあるため,手術の際には血管や神経の損傷を防ぎ,皮質骨のみを除去する手術が求められます。
 現在,回転切削式ハンドピースを用いた骨の切削手術では,軟質層に到達する直前で医師が手元で感じる感覚の変化を捉えて切削終了を判断されています。切削工具の軟質層到達の判断は、経験と高度な職人的技術が要求されます。
 当研究室では,回転切削式ハンドピースを用いた骨切削手術時に,骨の硬質層から軟質層に到達する際,医師が手元で感じる感覚の変化を定量的に評価する方法を提案し、より安全に手術が行える手術支援システムの開発を目指しています。

 

(東京工業大学 構造ダイナミクス研究室 Y.N)