【研究目的】
ミクロな摩擦面の特性からマクロな摩擦係数を推定するための実験、解析手法を確立し、任意の摩擦特性を持つ摩擦面設計を可能とする。また高速歯車を視野に、貧潤滑、高滑り状態でのテクスチャ効果を検証する。
【研究内容】
昨年度までの研究では摩擦面の微細な構造、化学反応膜、表面テクスチャが摩擦係数や摩擦の
異方性に与える影響に着目した研究を行い、
・ミクロなせん断力がマクロな摩擦係数に影響を与えていることを実験的に示した。
・表面テクスチャが摩擦係数や摩擦の異方性、油膜保持に与える影響を示した。
・実表面を用いた接触解析・流体解析を併用した摩擦係数の予測手法の検討を開始した。
FY23ではモーター3万rpmの歯車歯面における摩擦、潤滑状態を想定し、
①テクスチャーによる油膜の維持、及び低摩擦反応膜の維持による金属接触の回避効果を検証する。
また摩擦現象一般を対象とした摩擦係数の推定方法として
②摩擦面の正確な計測と、解析結果を併用させた摩擦係数の推定及び推定精度の検証を行う。