【研究目的】
TRAMIの各研究成果を産・学で使える状態にする
(車両全体系や駆動系の解析を実機レスで解析可能なシミュレーションモデルの構築)
【研究内容】
自動車産業の様々なステークホルダーのモデルベース開発・研究を加速・システム思考を根付かせるため,TRAMIの研究成果を産・学で利活用できる状態(≒モデル)にし普及・流通させる.
モデルとは,車両全体や駆動ユニットを対象に,実機を使わず単独あるいはシステムとしてシミュレーションが可能なものを指す.
本企画では,下記のプロセスでモデル化推進し定着化させる.
①各研究成果内容の棚卸,モデル化対象決定
②モデル階層とアーキテクチャの明確化
③研究成果のモデル化
④システムモデルのアップデート
⑤システムモデルへの実装
⑥効果確認
上記プロセスをiD3モデル化で確認し、超高回転システムの研究で実施する.
【研究目的】
超高回転化と高次元で両立すべき電動駆動システム効率を各構成要素の損失/熱を捉えて予測できる技術を構築する.
【研究内容】
現存BEVのユニット計測(主に効率と熱)結果を利用し,BEVを題材とした電動システムの効率の解析に必要な特性を同定し,BEV車両としての実機検証を行ってモデルの完成度を向上させ,超高回転領域での電動駆動システムモデとしての効率検討が可能な基盤のモデルを構築する.
複数の超高回転想定BEVの仕様を各研究会と議論し決定した後,それぞれ仕様に対応するモデルを基盤モデルに組み込んでシステム効率/電費,および各部位の使用領域や損失の割合を明らかにし,仕様ごとの特徴や課題を整理する.その際の各種損失モデルと伝熱モデルは高回転領域を想定した他研究会の成果に基づく物理モデルへと更新する前提.
これらの検討プロセスと結果を報告書に残し,かつTRAMIのモデルを使った具体的なユースケースとしてモデルの内容および使い方を解説書に残す.
【研究目的】
トップランナー高回転BEVおよびユニットの調査.
高回転化技術および軽量コンパクト化技術、振動騒音レベル、熱性能などを調査し技術トレンドを把握する.
【研究内容】
・最新高回転ユニット搭載BEV車両を用いたユニット効率測定
・車両側の高回転化対応技術調査
NV測定
静的調査
・高回転ユニット分解調査および部品レベル技術調査
研究対象
・ 2万rpm超BEVのユニット調査
【研究目的】
超高回転〔5万rpm超〕の基礎技術推進のため,全業界を対象としてトップランナー技術の調査/分析を行う.超高回転MOT・高減速ギヤボックス等の、要素技術調査および実機分解調査を通じて超高回転化の課題および必要技術を明らかにする.
【研究内容】
・超高回転〔5万回転〕化による課題の顕在化および課題解決技術の全業界の調査
・超高回転モータ+高減速比〔20~30〕減速機を想定した課題の解決技術を調査
L 調査会社による課題解決技術の文献調査
L MOT/INV/Gear Box :効率改善、発熱冷却、振動低減等に関する技術調査
・TRAMI超高回転化研究で抽出された課題の解決技術の蓄積
【研究目的】
ePT調査(効率計測)を行い,F22から継続している良電費の分析精度を上げる.
更に超高回転化の基礎技術研究に向けて,基点ePTモデルの同定を行う.
【研究内容】
熱マネジメントに着目し,車両走行時の冷媒-冷却-電気特性を取得し,エネルギ損失調査/分析を行う.
FY22 前半:文献調査,車両調査で測定項目の検討
後半:機材手配,車両計装,トライアル走行&データ計測
FY23:車両計測を実施 ➡電費の良い理由明確化(+車両モデル〔冷却システム〕作成 by モデル戦略研究委員会)
FY24:ePT(減速機)効率調査 & MOT&INV計装
FY25:ePT(MOT&INV,減速機)効率調査&超高回転化に向けて基点ePTモデル構築のための同定データを取得
【研究目的】
自動車の駆動系としては未知の高回転領域である~50000rpm条件下でのギヤの潤滑状態を定量化可能な計測手法を開発する.転がり軸受で実績のある電気インピーダンス法をギヤ噛合い部に適用し、その有効性を検証する.
【研究内容】
ギヤ噛合部をモデル化した小型卓上試験機(評価試験機)を試作する.評価試験機に電気インピーダンス法の電気計測系を実装する評価試験機にて,ギヤ噛合部の交流応答を測定し,二種類の信号(振幅と位相)を得る.得られた二種類の信号から,ギヤ噛合部の油膜生成状態を把握可能な計測原理を構築する.
2025年度は,理論上5万rpmで回転しているギヤから潤滑状態の把握に必要な信号を実測できる計測システムの構築,及びギヤの噛合い位相の推移と歯面の潤滑状態の関係を明らかにする.
【研究目的】
超音波サーモメトリによるモータ磁石温度分布計測の実現
【研究内容】
超音波の伝播速度を計測し,相関関係のある温度変化をとらえる原理からモータ内部温度を推定し,モータ性能に影響する動作中の磁石温度分布を計測できる技術を開発する.(温度分布は差分法解析にて取得可能)
2023~24年度にて以下が確認できたため,より実環境下での計測を目指すべく,回転体や高温状態,磁場環境下に対応できるセンサの検討や計測精度の確認を実施する.
・計測制約(透過波利用,油介在要)把握
・モータ内磁石のような中心温度が高くなる温度分布計測可
【研究目的】
モーターの高出力化に伴いトルク伝達経路へ流れ込む電流が増加することで周辺部品へ電食を発生させてしまう.複数パラメータ(力学計測+分光計測)の同時計測により現象分析を可能とする為の計測技術研究に取組む.
【研究内容】
・電食発生部にて複数パラメータの同時計測の為,小型卓上試験機(評価試験機)を試作する.
・2022年から取り組んできた(ギア噛み合い部への電気インピーダンス法の適用研究)際の電気計測系による電気情報に加え,分光計測系による界面厚み等,力学計測系による変位・振幅・力等の複数データを取得可能な計測原理を構築する.
・本評価を通して,未だ解明しきれていない電食現象の分析・解明の基礎データとして利用することで,電食現象の解明に応用できる計測原理を獲得する.
【研究目的】
高速回転歯車の信頼性確保へ向けて,高速回転歯車使用条件における摺動面の摩擦/摩耗に影響する因子を明らかにし,摺動面の摩擦予測技術ならびに高速回転歯車における潤滑油の設計指針を提案する.
【研究内容】
高速回転歯車の使用条件を想定して潤滑油粘度/摺動面の添加剤量/すべり速度/面圧等を変化させたときの,摩擦/摩耗に関連するパラメータである添加剤被膜の生成,摩擦係数や摩耗量等を調査し,各因子の影響度を調査し,摩擦/摩耗メカニズムを明らかにする.
最終的には,高速回転歯車の信頼性を確保するための歯車設計指針や添加剤処方を提案する.
具体的な実施内容は下記の通り.
・ 摺動面の添加剤量/摺動速度等を変えた場合のトライボフィルム形成過程をAFMを用いて観察
・ 潤滑油粘度/すべり速度等を変えた場合のピッチングの程度を観察
・ スペックルパターンより摩擦係数を推測するためのデータベース構築とAIシステム確立ならびにメカニズム推定
【研究目的】
超高回転では撹拌損失防止の観点から従来以上に潤滑供給油量の最小限化が求められるため,接触部に届きにくくなる.確実に接触部に届かせる技術,最小限の油量で効率良く潤滑の効果(油膜確保,冷却)を得る技術が必要となる.
【研究内容】
・5万rpm領域実験が可能な平行軸実験設備の構築
・各種機械要素(トラクションローラ,歯車,BRG.等)に応用可能な実験方法,実験条件を見出す.
・上記実験設備,方法,条件による遠心力を加味した回転体接触部の潤滑状態の可視化,定量化.
・実験結果に基づき,潤滑油の供給方法,油量をパラメーターに,接触部の油膜形成状況(油膜厚さ分布),冷却効率との相関を求め,最小限の油量にて効率 の良い潤滑方式を提案.
・潤滑改善のためのディンプル等テクスチャ₋効果の可視化,定量化.
【研究目的】
小型&高回転(5万rpm超)モータを搭載したユニット製作を見据え,トラクション伝達による遊星ローラ減速機の限界を明確にしたい.そのためにトラクション動力伝達能力,伝達効率を向上できる遊星ローラの運転条件を明確にする.
【研究内容】
電動機入力5万rpm超の高減速機として遊星ローラを選択する場合,遊星ローラの外接円接触となるサン/ピニオンローラが最も厳しい運転状態になると想定される.外接円の1対ローラによるトラクション動力伝達能力および,伝達効率などのトラクション特性を求め,遊星ローラで取りうる最大減速比を明らかにする.
1)FY23:遊星ローラ減速比を決めるパラメータ(油膜厚さ,表面温度,面圧,軸間距離など)を解析を使い洗い出す.これらを踏まえ,既存設備の軽負荷範囲でローラ減速比違いのトラクション特性から遊星ローラの最大減速比を求める.
2)FY24:FY23軽負荷設備許容範囲内の結果から高負荷時のトラクション特性を予測する.
3)FY24~25:新構想設備(図)により,高負荷条件含めたトラクション特性から遊星ローラの最適運転条件を明確にする.
【研究目的】
高効率化と小型軽量化に大きなポテンシャルが想定される「磁気ギヤと小型モータを一体にしたモータシステム」を研究する.本研究では,車両要件を織り込み,他の電動駆動スケルトンに対する実現性と優位性を見極める.
【研究内容】
先行研究の「磁気ギヤを用いたEV用モータシステムの開発」に対し,5万rpm超へ適用可能とする主要課題として,以下の3課題を研究する.
(1)磁気ギヤ同期安定性 :急加速急減速時の磁気ギヤ同期不良を回避するための制御ロジック構築とその検証
(2)小型軽量化 :他の電動駆動システムに対して優位性を見極めるため,スケルトン提案,ユニット試作,検証
(3)連続性能,冷却性 :システムの信頼性問題の抽出と対策提案,およびその検証
【研究目的】
超高速電動化に伴いモータの高効率のスウィートエリアをより積極的に使う変速機のシステムを検討する.また超高速電動化用として変速機を含めた従来にない新機構の可能性を検討し,新たなる研究テーマを創出する.
【研究内容】
・超高速小型モータのメリットを生かす変速機では,高減速比が必要となりスケルトンや伝達機構の選定が課題となる.
・またMOT効率のスウィートエリア,加速力,最高速度を狙うために、変速機側とモータ特性の連成問題が発生する.
以上の課題を踏まえ,以下を研究していく.4年計画の最終年として最適化(変速,スケルトン)も行う.
(1)従来の伝達・変速要素による5万rpm超の機構モデル解析を継続し, 磁気ギヤや遊星歯車モデルを追加し,燃費・登坂性能,コンパクト性の予測を行う.
(2)良電費高頻度を狙った最適変速マップを検討し,車両違いでの最適変速を提示する.
(3)上記分析済の5モデルからパレート最適(多目的最大有用包絡線)を行う.
(4)上記感度解析を踏まえ,感度が高い要素部品の更なる効率向上,新機構の検討,新規研究に落とし込む.
(5)研究が先行している海外の学会・論文と本研究とを比較することで,本活動の有効性を客観的に検証する.
【研究目的】
原動機の高速回転化により想定される高いすべり速度を伴う歯車において,歯面損傷/摩耗につながるマイクロピッチングの影響因子を調査,発生メカニズムを考察し,防止設計へと繋げる.
【研究内容】
歯車の歯面にくもりとして確認されるマイクロピッチングは,歯面の微小なクラックによる損傷や歯面摩耗による損傷助長や,歯車ノイズ悪化を生じさせる.
マイクロピッチングの設計方法には様々な方法が提案されている.しかしながら,高いすべり条件となる高速回転歯車においてもそれらの設計手法が適用できるかは明らかではない.
そこで,本研究では実際に高いすべり速度を伴う歯車を用い,マイクロピッチングの影響因子を調査およびその発生メカニズムを考察することで,高速回転する歯車におけるマイクロピッチング防止設計手法を明らかにする.
【研究目的】
電動化に伴うモーターの高回転化動向から,使用回転の高回転化が想定されるギヤにおいて,既存設計技術での対応可否の検証および高減速ギヤ等,従来技術から踏み込んだ超高回転対応ギヤの設計技術を検討する.
【研究内容】
‘24年度までに,オープンラボ(JARI)に50,000rpm,有負荷試験環境を構築し,既存設計技術(効率予測)の適用可否の検証を進めてきた.
より実機ユニットに近い領域(潤滑状態等)において,予実差の推定要因の検証を行うとともに,他性能(信頼性/NV)の課題検討要否を調査し,より詳細な研究が必要な課題が判明した際は研究テーマとして委託先を探る.
【研究目的】
超高回転を目指すモータの冷却効率を向上するために,マイクロバブル混入油を活用する技術が検討されている.これを実現するために,油圧回路中にマイクロバブルを析出させる技術を研究する.また同時に気泡の混入は油圧回路において振動や騒音の発生原因となる為,静粛化技術に繋がる基本特性を研究する.
【研究内容】
冷却回路にマイクロバブル混入油を供給する為の,車載実用可能なマイクロバブル生成機構を確立する.当研究では,ポンプにより加圧された気泡混入油が減圧部で示す挙動に着目し,混入気泡からマイクロバブルを生成する実用最適な機構とその生成条件を研究する.
また気泡混入油を加圧/減圧する過程で発生する騒音に対し,効果的な対策を講じる為の基礎研究に取り組む.
FY25では,FY24で検討したオリフィスを利用したマイクロバブル生成機構に対して,CFDによるパラメータ設計の確立に向けた基礎研究に着手する.
実機試験においては,マイクロバブル生成技術の確立に取り組むとともに,マイクロバブル生成と騒音が相関を持つメカニズムの解明を進める.
【研究目的】
5万rpmの超高速回転するギヤ歯面に対して,オイルジェット潤滑の有効性を探る.
【研究内容】
電動P/Tではモータを小型化するためには,低トルクのモータとなり減速機はLowギヤ化が進む.結果として,モータの高回転化が想定され,モータ出力の1軸上ではギヤも高回転している.ギヤ歯面への潤滑供給手法の1つとしてオイルジェットが考えられるが,高回転するギヤ周りで噴射されたオイルがどのような挙動を示し,有効な潤滑手法として使用できるかは不明確である.
当研究では,オイルを高回転ギヤ近傍からジェット噴射させ,噴射後のオイルの挙動を可視化,計測する.さらに対象物との距離や角度,噴射するオイルの流速,気泡の混入率等によるギヤ歯面潤滑の有効性を探る.目標は5万rpm超で回転するギヤだが,代替パラメータによる評価方法も本研究の中で模索していく.(=より効率的な評価手法の検討)
【研究目的】
高回転下のギヤ歯面潤滑に関し,オイルポンプなどの損失が無い高効率な潤滑システム実現のため,軸心(歯車歯底)からの遠心給油潤滑の研究を行う.
【研究内容】
・高回転(モータ 5万rpm)下において,ギヤ歯面への軸心給油が潤滑として有効に機能し,かつフリクション増加を抑制した高効率な手段と成り得ることのデータでの裏付け(可視化、グラフ化).
・潤滑とフリクションの最適バランス探索の為,潤滑有効性(噛合い発熱抑制,抜熱,油膜厚さ)と跳ね返り(フリクション増加)に対する給油吐出量影響パラメータ(穴径・穴長さ・OIL粘度etc)の感度把握 の関係データ把握(可視化、グラフ化).
・ギヤボックス設計段階で影響パラメータの諸元を決定可能とする為,潤滑有効性/跳ね返りと影響パラメータの関係予測可能なCFDシミュレーションモデル構築.
【研究目的】
トランスミッションのオイル潤滑としては,液体形態の供給だけでなく,気体中のオイル飛沫で行う手段も有効である.5万rpmではオイルはギヤの気流により阻害されて歯面に液滴が付着し難い状況にある.そのため,高回転での実験データの取得,観察を行い,気流と飛沫の発生形態や飛翔状態,変形等の関連性を確認し,高回転のCFD計算技術向上に繋げる.
【研究内容】
5万rpmのギヤの観察(2024年に成功)による課題として,ギヤ回転の気流による潤滑への影響がある.気流が飛沫に与える影響を観察し,飛沫状況についての研究を行う.
・周速によって飛沫状態(液滴状態,粒径,飛翔等)がどう変化するのか?
・オイルがミスト状になる状態の解明
・小粒径の液滴の把握は困難なため,飛沫分布把握方法として何が効果的か?
研究項目
・汎用カメラによる観測(高速カメラは限界回転まで)
・光学計測による飛沫状況観察(液滴状態、粒径、飛翔)
・実験する回転速度:最大5万rpm
【研究目的】
マイクロバブル混入オイルのせん断流下での冷却性能・剪断抵抗の定量化と最適化の指針を探る.
※せん断流:速度勾配によるせん断力が作用する流れ.モータ内隙間流れでは片側壁面が一定速で移動するので速度勾配が一定のクウェット流となる.
【研究内容】
パワトレ部品内では,攪拌,空気の巻き込み,キャビテーション等により油中に気泡が含まれる.気泡混入によってせん断抵抗の低減が期待できる一方,冷却性能の低下も想定される.気泡径,気泡混入率がモータ内部のロータ・ステータ間の流れとせん断抵抗による発熱,および冷却性能に及ぼす影響は不明確である.
当研究では,直径数十mm の気泡を混入させ,微小隙間のせん断流のせん断抵抗と熱伝達率の計測結果から気泡混入率の影響を定量評価する.さらにモータを模擬した回転体回転数が気泡を含む気液界面構造に及ぼす影響を明確にし,冷却システムとしての最適化手法を構築する.