夏が終わると、我々TRAMIは大学詣でを行います。
年末の産学連携講座をどこで開催するか、それを検討するためです。
今回は、ある先生の紹介で早稲田大学で開催することになりました。
私達は、現役の学生たちに、この講座にたくさん集まってもらいたい。
早稲田ならば山手線の内側、アクセス最高・・・なのでとてもうれしい会場です。
前のめりの検討が始まりました。
早稲田大学・・・私学理系の雄。そして内燃機関研究の総本山です。
内燃機関研究の権威である草鹿先生を紹介していただき、
内燃機関の技術組合(AICE)もイベントに参加してもらうことになり盛り上がりが確約 (^^;
駆動技術だけでなく、さまざまな自動車技術がカーボンニュートラル(以下CN)に貢献していることを
学生と一緒に議論できるのでは?と期待が高まります。
※なぜバナナか?謎です。
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産学連携講座の第1部は、学術講演会・・・トップバッターは、草鹿先生
世の中のCNの動向と、それに関する燃料も含めた技術についてご講演いただきました。
各国政府の方針、インセンティブと技術、販売実績の相関、
最近の動向を踏まえると、HEVの時代がある程度続くだろう・・・
やはり足元で大切なのはエンジンの熱効率と、CN燃料。それをうまく動かす制御技術。
燃費45~50km/LまでHEVは目指してほしいし、
あとはCN燃料をどう使うかでCNへ貢献したいというお話をいただきました。
最近は強打者が2番バッターに座ります。TRAMI運営委員長の斉藤さん。
TRAMIがどこを目指し、どう動いていきたいかをご説明いただきました。
TRAMIの今後のシナリオは公開フォーラム等でも話していますので
詳細は割愛しますが、超高回転モータ開発を通じ、モータのあとに続く
ギヤボックスに関する機械要素系の研究室や先生方へ、
もういちど”日本の機械要素技術を盛り上げていこうよ”との熱いメッセージが込められていました。
さて3番バッターの細井先生。
学内の基礎研究について、CNに絡めてお話しいただきました。
学生たちが取り組んでいる研究が、社会でどのように役立つのか・・・イメージしやすいご講演でした。
先生の研究は、材料と構造の観点より軽量化を促しCNに貢献するというもの
車体重量を30%低減できれば、今後の新車登録台数から考えると
国内で600万トン/年のCO2を削減でき、全世界では6億トンも削減できるとのこと。
これは馬鹿にならないインパクト。さすが3番バッターです。
代替軽量材料のコスト削減、機能の拡大を研究することの重要さ
マルチマテリアルの魅力を教えていただきました。
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産学連携講座の後半は、
年末恒例の自動車OEM各社による人事交流会とユニット分解展示会です。
各社趣向を凝らし、学生とのコミュニケーションをとっていました。
学生が抱える就職への悩み、そして期待に社会人が応える。
学生のみならず人事の皆様も有意義な時間であったならばうれしく思います。
ユニット分解展示会は、毎年多くの方々でごった返します。
技術者同士のディスカッション、学生へ技術を説明する過程で気づく新鮮な視点。
このブースも社会人の脳みそをもみほぐしてくれるいいマッサージ機能を果たしたのではないでしょうか?
さて産学連携講座も6回を重ね、ある程度必勝パターンを見出すことができるようになりました。
今後はより多くの学生との交流ができるよう体験型のイベントや、
よりエッセンシャルな技術に触れあえるような施策を
創造できるように考えていきたいと思います。
TRAMIは、日本の産学連携を今以上に活性化させたいのです。
運営委員(K.Y)