みなさん、機能ブロック図ってご存じですか?
機能ブロック図を説明するためによく使われるのが、”風が吹けば桶屋が儲かる”という日本のことわざです。
このことわざ、ご存じでしょうか?
”一見すると、全く関係がないと思われる物事に影響が及ぶことのたとえ”としてよく活用するようです。
40代の私は、国語の教科書で教わった記憶があり、因果関係があるようにも、屁理屈にも聞こえるこの話が
とても好きでよく覚えています。
機能ブロック図を若い技術者達に伝えるために、この話を使うのですが、
「そんなの知らない。風が吹けば桶屋が儲かるって・・・何??」としょっぱなから躓くと、
おじさんたちは困惑します。
(”若者がこの話を知らないと、おじさんはいったん困ってしまう”・・・そんな因果関係がありますね。)
さて、風が吹くと桶屋が儲かる・・・
・風が吹くと、土埃が舞い、目に入る。
・土埃が目に入ると、目を傷めてしまう方が増えて、盲人になってしまう場合がある。
・目が見えなくなると、江戸時代では、よく三味線を生業とすることがあった。
・目が見えなくなる方が増えると、三味線弾きが増え、三味線がよく売れる。
・三味線には猫の皮が使われており、猫が多数捕獲される。(可哀そう・・・)
・猫が減ると、猫を天敵としていた鼠がたくさん増える。
・鼠が増えると、軒先の桶をかじる。
・桶が壊れてしまうので、桶が売れるようになり、桶屋が儲かる
という話です。
怪しいところはありますし、江戸時代のことをよく知りませんが、まぁ因果関係は通っています。
(風が吹けば、土埃が目に入るので、桶に水を汲んで目をよく洗う人が増えるので桶屋が儲かるでも
良いのではないか!とコメントしないでくださいね。)
ズバリこれが機能ブロック図です!!
ある結果(出力:Y)が生まれるためには、ある仕掛け(入力:X)が必要です。
その二つの間には何かしらの関係が成り立っています。つまりY=f(X)の関数です。
この関係式を明らかにすることで、技術者たちは製品を作り出すことができ、
設計者は、魂のこもった数字を図面に書き込むことができるようになるわけです。
お客様のご要望(Y)に応えるために、意思を持って変えていく(X)、
その因果関係を突き止めるからこそ、自信をもってモノづくりができるわけですし、
向かうべき方向を示すことができます。
それは、産学連携の最終成果であったり、日本の技術力であったり、
より具体的に表現すると、今、開発の主流になっているモデルベースとなるわけです。
機能ブロック図は、TRAMIの研究テーマ議論や産学連携の場で活用することで、
日本の技術力のさらなる育成や、生産性の向上に貢献するツールであると思います。
そして、モデルベース初心者にもおすすめの考え方。ぜひご注目ください。
さいごに・・・
機能ブロック図的な考え方を、ご家庭で活用すると大変なことになる場合があります。
因果関係を明らかにしないことで、幸せになることもあります。
使用上の注意をよく読み、用法 用量を守って正しくお使い下さい。
(運営委員 K.Y)